ザ・ヴァーヴ『アーバン・ヒムス』

アーバン・ヒムス

アーバン・ヒムス

雰囲気的に、同年に発売されたオアシスの『ビー・ヒア・ナウ』とレディオヘッドの『OKコンピューター』のちょうど中間のノリをもっている。
かといってこのアルバムは、刺激的な音楽に溢れているわけでは決してない。
オアシスの無闇なポップさもなければ、レディオヘッドの衝撃的な先鋭性もない。
このアルバムのオリジナリティは、人間の根本的な痛みや苦しみや、そんでもってささやかな愛が、臆面もなく表現されているところのみだ。
そのあまりにも身近に溢れている感情が、こんなにも僕の心に染みてくる。